Amandauは、壁にどう向き合ったか
出店の限界、来店減少、その先の売上をつくる仕事
AMANDAU
公開資料と過去の取材に基づく企業研究。会社の説明と本誌の分析を分けてお届けします。
資料確認:2026年10月24日Amandauを読む前に
店を増やせば、会社は成長を続けられるのか。Amandau(アマンダウ)の歩みには、その問いを考え直す場面がある。2017年には加盟店数の伸びに限界が見え始め、2020年には店に来る客が減った。別々の壁に対して、何を変えたのだろう。[S15][S13]
第015号では鋼材販売から製造へ、第016号では農業から飲料へ進む企業を追った。今回の主役は、パラグアイのアイスクリーム企業Amandauだ。創業の経験だけでなく、伸び悩みへの対応、加盟店との収益の関係、売れる経路の組み替えまで掘り下げる。
読む順序は「制約・選んだ方法・確認できた結果」。経営者が語る苦労と、本誌がそこから考える教訓を分ける。公開資料には売上の動きを説明するものがある一方、利益の全体像を確定できる決算は今回確認していない。成長と、利益を確保できたことは同じ結論ではない。
公開資料と過去の報道に基づく独立した企業研究です。本誌による新規の現地取材・当事者インタビューは行っていません。

商品から、製造・供給・買い方をつなぐ仕事へ。架空の店と商品であり、実際の店舗や容器の写真ではありません。
Amandauの出発点 技術を学び店を開く
EusebioとModestoのLeoz兄弟がAmandauを創業したのは1973年。創業日は12月13日と紹介されている。[S03][S04]
Jorge Leozは、父がAntonio Salgueroからアイスクリーム作りを教わり、Villa Morraで開業した経緯を語っている。[S09]

製造を学ぶ論点の説明です。人物はLeoz家やAntonio Salgueroではなく、実際の指導場面を再現していません。
Jorgeは原料調達の難しさと、家庭用の冷凍設備が限られていたことも振り返る。[S09] 暑い国だからといって、どの形の商品でも売れるわけではなかった。
本誌の分析: Amandauの出発点には、「作り方を身につけること」と「顧客が買って食べられる形にすること」の二つが重なっている。よい商品でも、持ち帰って保管できなければ売れる範囲は限られる。製造技術は、買い手の生活条件に合って初めて売上につながる。
最初の設備投資額、自己資金と借入の割合、最初の顧客は未確認だ。無料で技術を教わったという話を、開業費がかからなかったという意味には広げられない。
2016年の紹介では、Amandauは長く3店舗で営業していたと説明されている。[S04] その時期をすべて「失敗」や「赤字の連続」と呼ぶことはできない。ただ、長く続けただけでは、その後の拡大は説明できない。会社は売り方を変えていく。
Amandauの成長を変えた加盟店と商品供給
Amandauは2000年代後半、フランチャイズ注1を通じて拡大した。開始年は資料によって2007年、2008年、2009年と異なるため、一つを確定した年として採用しない。[S03][S04][S18]
2013年の紹介では、Jorgeが紙ナプキンで加盟を募り、電話ブースの事業を営む顧客に小型のアイスクリーム販売拠点を提案したと語っている。[S14] 商品を知る人や、すでに商売の場所を持つ人が、売り手になる余地があった。

加盟店の役割を考える架空の売場です。実際の加盟店・店主・顧客の写真ではありません。
本誌の分析: 全店を直営で増やすなら、本部が場所、人員、日々の管理まで用意する必要がある。加盟方式では、その一部を地域の事業者が担う。Amandauが商品とブランドを供給し、別の事業者が店を運営する。拡大の負担を分けられる一方、商品供給と運営支援の責任が消えるわけではない。
収益をどこから得るかも重要だ。2013年3月のABC Colorは、Amandauのような商品型のフランチャイズについて、初期の加盟金と、継続的な商品供給から収益を得る仕組みを説明している。[S17] ブランド使用料を毎月集める会社、とだけ捉えると中心的な仕事を見落とす。
本誌の分析: この仕組みでは、開店後も商品が売れ、再注文が入ることで、本部の供給売上が続く。供給側には、初回納品の後も加盟店の販売を支える理由がある。反対に、売れない在庫を押し込めば、その時の出荷は増えても、次の注文や信頼を損ねうる。これは取引構造から考えられるリスクであり、Amandauがその行為をしたという指摘ではない。

繰り返し商品を届ける仕組みの説明です。実際の配送設備、取引、検品方法を示すものではありません。
2013年1月の報道では118拠点、そのうち本部運営が6拠点とされる。[S05] 販売網が広がったことは確認できる。しかし、すべての加盟店が黒字だったことや、投資を回収できたことまでは、この数では分からない。
現行の加盟契約や収益内訳は未確認だ。ここで読むのは、当時説明された事業の構造である。過去の条件を、現在も申し込める契約条件として扱わない。
この先で読むこと
続く章では、Amandauが出店拡大の限界や来店減少にどう対応したか、既存店の売れ方、製造と供給、海外事業から読み解きます。
- Amandauに見えた出店拡大の限界
- Amandauの収益を支える製造と売場の組み合わせ
- Amandauが来店減少を受けたとき 家庭へ届く販路
- Amandauのブラジル進出を二つに分けて読む
- Amandauの苦労から何を経営に持ち帰るか
用語の注釈
参考にした資料
資料確認日:2026年10月24日。過去の条件や数字は各資料の掲載時点に限る。会社や支援会社の説明と、独立した効果測定・監査済み決算を区別した。 Amandauの監査済み売上・利益、現行の加盟契約、加盟店別採算、施策による増収額は未確認。ブラジルの追加5店舗は計画として扱う。実証できない失敗談や経営者の感情は補っていない。
- S01 Amandau公式サイト ↗
公開日記載なし/2026年10月24日確認
- S02 WIPO掲載のパラグアイ向けフランチャイズ解説資料 ↗
翻案版の発行年月未確認/原典2019年
- S03 Revista CEO Leoz家とAmandauの紹介 ↗
2026年1月7日
- S04 InfoNegocios El Equipo de Heladería Amandau ↗
2016年7月12日
- S05 ABC Color Amandau abrió su local 118 y proyecta 25 más ↗
2013年1月17日
- S06 REDIEX Amandau工場訪問と海外事業の報告 ↗
2025年8月14日
- S08 ABC Color Marcas paraguayas que cruzan fronteras ↗
2026年2月18日
- S09 InfoNegocios Jorge Leozインタビュー ↗
2022年10月10日
- S10 InfoNegocios Visitamos Amandau ↗
2019年2月13日
- S11 InfoNegocios Amandau lanza fábrica de medialunas ↗
2022年9月9日
- S12 Ministerio de Industria y Comercio Amandauの海外事業 ↗
2025年9月26日
- S13 InfoNegocios Amandau cerró el 2020 con un empate ↗
2021年2月26日
- S14 Adlatina Las heladerías express invaden Paraguay ↗
2013年6月10日
- S15 Revista PLUS Jorge Leoz Toda una vida dedicada al negocio del helado ↗
2017年10月25日
- S16 Diario HOY Amandau hace frente al invierno con grandes descuentos ↗
2017年6月23日
- S17 ABC Color 35 empresas franquician en Paraguay ↗
2013年3月10日
- S18 Última Hora Te presto mi marca ↗
2015年4月20日
- S19 Revista PLUS Bettina Pessolani Crafting Brands ↗
2017年10月25日
- S20 InfoNegocios Hecho en Py Amandau se prepara para el verano ↗
2021年10月6日